遺品整理で必要なもの!自分で進めるための道具選びと工夫について解説

遺品整理で必要なもの!自分で進めるための道具選びと工夫について解説

大切な方を亡くされた後、遺された品々を整理する作業は、想像以上に心身に負担がかかるものです。
膨大な量の遺品を前に、どこから手をつけて良いか、どんな道具が必要なのかと途方に暮れてしまう方も少なくないでしょう。
特に、ご自身で遺品整理を進めようとする場合、適切な道具や資材がなければ、作業効率が落ちるだけでなく、大切な品を傷つけたり、ご自身が怪我をしてしまったりするリスクも高まります。
また、作業中の安全対策や、スムーズに作業を進めるための工夫も不可欠です。
この記事では、遺品を効率的に仕分け、安全に搬出し、そして何よりもご自身の安全を守りながら作業を進めるために必要な具体的な道具と、その活用方法について解説します。

遺品を効率的に仕分ける整理道具

仕分け用の箱や袋を用意する

遺品整理の第一歩は、残すもの、処分するもの、寄付するもの、思い出の品など、カテゴリごとに遺品を仕分けることから始まります。
この作業をスムーズかつ効率的に進めるためには、複数種類の仕分け用容器を事前に準備しておくことが極めて重要で、具体的には、段ボール箱、透明なゴミ袋、不透明なゴミ袋などを用途に応じて揃えましょう。
段ボール箱は、書籍や食器などの重いものには小さめのサイズを、衣類や布団などの軽いけれどかさばるものには大きめのサイズを複数用意すると便利であり、また、透明なゴミ袋は「捨てるもの」の中でも中身が確認できることで分別がしやすくなり、不透明なゴミ袋はプライバシーに関わるものや、他に見られたくないものを処分する際に適しています。

マジックペンやガムテープで中身を明記する

仕分け作業で最も重要となるのが、箱や袋の中身を明確に表示することです。
特に複数の箱や袋を使用する場合、後から内容を確認する手間を省き、誤って不要なものを捨ててしまったり、必要なものを見失ったりする事態を防ぐために、マジックペンとガムテープは必須のアイテムとなります。
油性の太字マジックペンであれば、段ボールやビニール袋にもはっきりと書くことができ、ガムテープは布製のものを選ぶと粘着力が強く、剥がれにくいので、重い段ボールの底抜け防止や封をしっかり閉じるのに役立ちます。
具体的には、「残す(貴重品)」「残す(衣類)」「捨てる(燃えるゴミ)」「捨てる(不燃ゴミ)」「寄付」など、誰が見ても分かるように具体的に内容を記載し、必要であれば部屋の名前や日付も書き添えておきましょう。

貴重品保管用のケースを準備する

遺品の中には、現金、通帳、印鑑、有価証券、貴金属、権利書、保険証書などの「貴重品」が紛れ込んでいる可能性が常にあります。
これらは仕分け作業の初期段階で他の遺品とは明確に区別し、厳重に保管する必要があります。
そのため、鍵付きのケースや、一時的に施錠できる頑丈な箱を準備しておくことが賢明です。
貴重品は発見したらすぐにそのケースに入れ、作業中は常に目の届く場所や、安全な場所に保管し、紛失や盗難のリスクを最小限に抑えるための具体的な対策を講じましょう。

写真や書類整理にはファイルを使う

故人が残した大量の写真や書類は、感情的な側面も強く、仕分けに時間がかかる傾向があります。
これらを効率的かつ丁寧に整理するためには、クリアファイル、バインダー、アルバム、書類ケースなどの整理用品が非常に役立ちます。
例えば、家族写真、風景写真、旅行の思い出などの種類に分けたり、公共料金の領収書、契約書、医療関連書類など、用途別に分類したりすることで、後から必要な情報を見つけやすくなります。
また、古い写真や重要な書類は、デジタル化を検討することで、物理的な保管スペースを節約し、劣化を防ぐことも可能になります。

重い遺品や大型家具の搬出に必要なものは何ですか?

家具解体用の工具を準備する

大型の家具や家電は、そのままでは搬出が困難な場合が多く、解体が必要になることがあります。
この作業を安全かつ効率的に行うためには、適切な工具の準備が不可欠です。
具体的には、電動ドライバー、六角レンチセット、モンキーレンチ、ペンチ、金槌、そして必要に応じてのこぎりなどが挙げられます。
これらの工具は、家具の構造(ねじ止め、ボルト留め、釘打ちなど)に応じて使い分け、正しい使用方法を事前に確認しておくことが重要です。
特に、電動ドライバーは作業時間を大幅に短縮し、手作業での疲労を軽減してくれるため、大型家具が多い場合には大変役立ちます。

運搬用の台車やベルトを活用する

重い遺品や解体した家具、家電などを運搬する際は、腰や体を痛めないよう、運搬補助具を積極的に活用しましょう。
手押し台車や平台車は、重量のある荷物を一人または少人数で安全に移動させるのに非常に有効です。
特に、平台車は家具の下に差し込んで滑らせることで、重いタンスや冷蔵庫なども比較的楽に移動させることができます。
また、運搬用ベルト(家具移動ベルト、引越し用ベルトとも呼ばれる)は、肩や腕の力を分散させ、不安定な荷物を安定して運ぶことを可能にし、腰への負担を大きく軽減してくれます。
これらの補助具を適切に使うことで、安全に作業を進めることができます。

床や壁を保護する養生シートを用意する

遺品を運び出す際、床や壁に傷をつけたり、汚してしまったりするリスクは常に存在します。
特に大型家具の移動や解体作業では、予期せぬ衝撃や摩擦が発生しやすいため、事前に養生シートで保護することが不可欠です。
プラスチック製の養生シートは防水性があり、液体をこぼした際にも床を汚す心配が少なく、布製や段ボール製のシートはクッション性があり、衝撃吸収に優れています。
これらのシートは、養生テープでしっかりと固定し、搬出経路となる床全体、そして壁の角やドア枠など、接触しやすい箇所を重点的に保護することで、家屋へのダメージを最小限に抑えることができます。

運搬中の破損を防ぐ緩衝材を準備する

大切な遺品や壊れやすい物品を運搬する際には、衝撃から保護するための緩衝材が必須です。
プチプチ(気泡緩衝材)は食器やガラス製品、家電製品など、デリケートな品物を包むのに最適であり、毛布や厚手のタオルは、大型家具の角や表面を保護するのに役立ちます。
また、新聞紙は隙間を埋めるクッション材として、発泡スチロールは精密機器などの固定に利用できます。
これらの緩衝材を適切な方法で梱包することで、運搬中の振動や衝撃による破損を防ぎ、遺品を安全に次の場所へ移動させることが可能になります。

遺品整理作業中に身を守るための安全対策は何ですか?

ホコリ対策にマスクを着用する

長期間閉め切られていた部屋や、古い家屋での遺品整理作業では、大量のホコリ、カビ、ダニなどが空気中に舞い上がることが予想されます。
これらの微粒子を吸い込むことは、アレルギー症状の悪化や呼吸器系の健康問題を引き起こす可能性があるため、作業中は必ずマスクを着用しましょう。
特に、医療用N95マスクや防塵マスクなど、フィルター性能の高いマスクを選ぶことで、微細な粒子を効果的に遮断し、ご自身の健康をしっかりと守ることができます。
適度な休憩を取りながら、換気をこまめに行うことも併せて心がけましょう。

怪我防止に手袋を装着する

遺品の中には、ガラスの破片、釘、金属片、カッターの刃など、予期せぬ危険物が潜んでいることがあります。
また、古い家具の木材にトゲが刺さったり、重いものを運ぶ際に手を挟んだりするリスクも伴います。
これらの怪我から手を保護するためには、作業用手袋の装着が不可欠です。
軍手は基本的な保護に、ゴム手袋は水回りや汚れやすい作業に、革製や滑り止め付きの丈夫な作業用手袋は、重いものを運んだり、鋭利なものを扱う際に適しています。
作業内容に応じて適切な手袋を選び、常に着用することで、手の怪我のリスクを大幅に減らすことができます。

汚れても良い服装で作業する

遺品整理の作業は、ホコリまみれになったり、古いシミやカビが付着したり、予期せぬ汚れが衣類に付着する可能性が高いです。
そのため、高価な服や大切な服は避け、汚れても構わない、動きやすい服装を選ぶことが重要です。
長袖・長ズボンは、ホコリや肌への刺激から皮膚を保護し、怪我のリスクを軽減する効果も期待できます。
また、靴も汚れても良い運動靴や作業靴を選び、安全のためにつま先が保護されているものや、滑りにくいソールのものを選ぶと良いでしょう。
作業後には、着替えやシャワーの準備をしておくことで、衛生的に作業を終えることができます。

照明器具で明るさを確保する

遺品整理を行う部屋が暗かったり、物陰や収納スペースの奥が十分に明るくない場合、足元の危険を見落としたり、貴重品を見逃したりするリスクが高まります。
そのため、懐中電灯、ヘッドライト、作業用投光器などの照明器具を準備し、作業スペース全体の明るさを十分に確保しましょう。
特に、電力供給が不安定な古い家屋や、ブレーカーを落として作業する可能性がある場合は、電池式の照明器具は必須です。
明るい環境は、作業の安全性だけでなく、集中力の維持にも繋がり、より効率的かつ正確な作業を可能にします。

遺品整理をスムーズに進めるための便利なものには何がありますか?

掃除道具で作業スペースを清潔に保つ

遺品整理作業と並行して、定期的に作業スペースを清掃することは、作業効率を大幅に向上させ、衛生的な環境を維持するために非常に重要です。
掃除機、ほうき、ちりとり、雑巾、ウェットシート、そしてゴミの分別に対応した複数のゴミ袋などを常に手元に用意しておきましょう。
作業の合間や区切りごとに、発生したホコリやゴミを片付けることで、足元が散らかることによる転倒リスクを減らし、清潔な空間で集中して作業を続けることができます。

デジタルカメラで記録を残す

遺品整理を始める前や、作業の途中段階で、デジタルカメラやスマートフォンで写真や動画を撮影し、記録を残しておくことは、さまざまなメリットをもたらします。
例えば、遺品の配置や量、状態を客観的に記録することで、後から相続手続きや保険申請、売却、寄付などの際に証拠として活用できます。
また、どの品がどこにあったか、どのように整理したかを記録しておくことで、後日遺品の内容や場所を思い出すための視覚的な手助けにもなり、万が一の紛失やトラブルが発生した際にも役立ちます。

休憩用の飲み物や軽食を用意する

遺品整理は、長時間にわたる肉体労働であり、精神的な疲労も伴うため、適切な休憩と水分・栄養補給は欠かせません。
作業中にいつでも水分補給ができるよう、水やお茶などの飲み物を十分に用意し、熱中症予防を心がけましょう。
また、簡単に食べられる軽食(おにぎり、パン、栄養バーなど)を準備しておくことで、血糖値の低下を防ぎ、集中力を持続させることができます。
作業スペースから少し離れた場所で休憩を取り、リフレッシュできる環境を確保することも、作業の継続性を高める上で重要です。

軍手やカッターなど汎用性の高い道具を揃える

遺品整理の作業中には、予期せぬ場面でさまざまな道具が必要となることがあります。
そのため、軍手(予備も含む)、カッターナイフ(替え刃も)、ハサミ、筆記用具(メモ帳も)、メジャー、ドライバーセットなど、汎用性の高い基本的な道具を常に手の届く場所に揃えておくことが、作業をスムーズに進める上で非常に有効です。
これらの小物をまとめて収納できるツールボックスやポーチを用意しておくと、必要な時にすぐに取り出せ、作業の中断を防ぐことができます。

まとめ

遺品整理は、故人への思いと向き合う大切な時間であると同時に、多くの労力を要する作業です。
自分自身で遺品整理を行う際には、事前の準備がその後の作業の効率性、安全性、そして精神的な負担の軽減に直結します。
本記事でご紹介した仕分け道具から、大型家具の搬出に必要なもの、そして何よりもご自身の身を守るための安全対策、さらには作業をスムーズに進めるための便利なアイテムまで、具体的な道具と資材の知識があれば、計画的に準備を進めることができるでしょう。

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